からだの豆知識 第2回 『冬の宴会シーズン、秋から準備!』

2010年8月31日
秋ウコンって何?
ウコンはショウガ科の多年草でインド、アジア、沖縄など亜熱帯地方に自生する植物です。英名がターメリックということでカレー粉の黄色い成分としてご存知の方も多いでしょう。
昔からウコンには肝臓を強くする働きがあるとされ、日本では沖縄で「うっちん」の名で親しまれお茶や料理に、古くから民間療法として取り入れられていました。

秋ウコン、春ウコン、紫ウコンの3種類があり、秋、春は花のつく季節で呼び分けています。紫ウコンは「ガジュツ」という全く別の植物です。
秋ウコンと春ウコンは成分が違い、色素成分クルクミンが春ウコン「キョウオウ」には秋ウコンの10分の1しか入っていません。そのため一般に「ウコン」と呼ぶのは秋ウコンのことです。

クルクミンの肝臓に対する作用は色々研究されています。
胆汁の分泌を活性する働き、肝臓での解毒酵素グルタチオンを活性する働き、アルコールの分解過程でできるアセトアルデヒドの分解スピードを高めるなどと言われています。
薬と違ってこれがこう効くとはっきりしたものではないのですが、経験的に使われたウコンの成分の中でクルクミンを取り上げたサプリが二日酔いの予防につかわれたり、肝機能アップに使われるのはこの作用によるものです。

最近注目されているクルクミンの作用に美容に関するものがあります。
これはクルクミンがポリフェノールの一つであること。
ポリフェノールといえば抗酸化作用です。

活性酸素により酸化が進み、我々の身体のあちこちの細胞は、言わば錆びた状態になっています。酸化を止めるには活性酸素を除去する効果のあるものを外から取り入れる必要があります。
クルクミンの抗酸化作用がダメージを老けた身体やお肌を修復してくれると考えられます。
クルクミンがシワの原因を作る酵素を抑えるともいわれます。
お酒を飲む人だけでなく美容と毎日の健康のために取り入れたいものです。

インドの女性は紫外線を浴びているのに肌年齢が若いのはカレーを毎日食べているからとかクルクミンでパックしているからといわれます。インドの人は毎日辛いものを食べているのに胃が悪くならないのかと不思議に思ったことがあります。
もちろん人種差がありますからすぐに比べられませんが、ウコンには健胃作用もあります。私がインドに行ったときの経験ですが、毎食カレーのような料理を食べるはめになり、胃が丈夫でない私は二食目でうんざりだったのですが、食べ続けてるうちに慣れてしまい、帰る頃にはこのまま毎日カレーでも大丈夫な気がしてきました。

タージマハル

シリマリンって何?
マリアアザミ マリアアザミというハーブの種子に含まれる成分です。
マリアアザミはオオアザミとも呼ばれ紅紫色の花を咲かせるキク科の植物で、1m以上の丈にトゲを持ち白い斑模様の葉を持ちます。
英名はミルクシスルといい名前の由来はマリア様の母乳が葉の上に落ち葉脈の白い模様がミルクに見えるからといわれています。
ヨーロッパでは昔から肝臓の治療薬や毒キノコの解毒に用いられてきました。ドイツでは成分のシリマリンの肝細胞保護作用、肝機能改善作用が認められ、慢性肝炎、肝硬変などへの医療機関での使用が許可されています。

では、シリマリンがどう効くのかということについてですが、研究結果によるとグルタチオンの量を増やすということのようです。
グルタチオンとはグルタミン酸、システイン、グリシンという三つのアミノ酸からなり本来我々の身体に存在するものです。
医薬品(タチオン他)として解毒、肝機能改善、代謝改善に使われています。皮膚科領域では湿疹シミなどに使われる場合もあります。
グルタチオンの働きは様々な有害物質をそのシステイン部分に結合させ細胞から外へ排出させます。そして肝臓から尿へと排出されるわけです。
つまりシリマリンによってグルタチオンが増えれば肝臓の解毒作用も活性化するわけです。

シリマリンのもう一つの効果に抗酸化作用があります。シリマリンの成分はフラボノリグナンというポリフェノールと同じく植物が持つ抗酸化物質です。
我々の身体に多く出来過ぎた活性酸素を除去する働きをして、細胞や臓器を守ります。
グルタチオンは細胞内で発生した活性酸素や過酸化物と反応してこれらを消去します。
個の時必要になるのがグルタチオンペルオキシターゼという酵素ですが残念ながらこの酵素類は加齢とともに減ってしまいます。
シリマリンのような抗酸化作用のあるものをサプリとして外から補う必要があるわけです。
薬剤師K
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