からだの豆知識 第5回 『肌カルシウム』

2010年11月6日
カルシウムは女性の肌年齢にも関係する?

カルシウムの減少は骨内部だけではなく肌の内部でも起こっているのです。
カルシウムが不足すると保水量の低下から乾燥が起こります。
肌表面のバリア機能の低下から外敵の侵入による炎症が起こりやすくなります。
肌構造の弱体化から空洞化たるみ、ゆるみ、深いシワなどの現象があらわれてきます。

角質層ということばを聞いたことがある方は多いと思います。角質層とは我々の皮膚の一番表面をラップのように覆う部分です。
もしこれがなければ、我々はバリアを失いアレルゲン、細菌などの外敵の侵入から身を守れず、また体内水分も失ってしまいます。
化粧品のCMなどで聞くと思いますが、ケラチン、セラミドなどは角質層を構成する物質です。
皮膚は日々生まれ変わっていきます。基底層という下の部分でケラチンを産生し、分化、成熟しながら上層へ移動して行きます。
ケラチンは最終的に保水機能をもつ物質に分解されます。
さてケラチンを含む角質細胞には細胞膜が必要ですが
膜を裏打ちするような強靭な不溶性構造物ができあがり肌構造を保ちます。それを作る時にカルシウムが重要な役割を担っています。



角質の細胞と細胞の間にはセラミド、コレステロールのような脂質が入っています。これらの脂質を密着させるのにもカルシウムが必要です。
これらの角質間脂質は皮膚の保湿に重要な働きをしています。
セラミドなどの脂質がきちっと密着して配列することでしっとりキメ細かなトラブルのないお肌が出来上がるわけです。

カルシウムが健康な角質層を作るために欠かせないものだということはお判りいただけたと思います。
それではどうすればいいでしょう。牛乳をがぶ飲みしてもお肌にはとどきません。カルシウムはそれだけでは吸収しにくいからです。
カルシウムはまず骨に吸収され体内の生命維持に必要な部分に運ばれますので肌へは後回しにされてしまいます。
カルシウムの吸収効率を考えるなら最近話題のCBPをお勧めします。骨への吸収がよくなれば、それ以外の必要な部分に回る余力も出てきます。
骨や身体が不健康で肌だけピチピチになることはありえませんものね。
薬剤師K
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