からだの豆知識 第8回『愛犬とのお散歩が辛くならないように』

2011年1月22日


足や腰の痛みで整形外科を受診される患者さん多いですね。
処方されたお薬を見ると、ロキソニンのような痛み止め、シップ、ミオナールのような筋弛緩薬、メチコバールのような神経に効くとされるビタミンB12のセットが定番のようです。慢性的に痛み止めを飲む場合が多いので胃薬がセットでついてきます。
高齢の女性の場合は骨粗鬆症の予防のために活性型ビタミンD、ビスホスフォネート系(週1で起床時に飲む薬)かエビスタのようなホルモン系の薬が追加されます。足がつる場合、芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)が処方されます。

患者さんの訴えではレントゲンで骨はたいした異常なし、リウマチではないし、手術するほどではない。でもとにかく痛い。
胃に負担がかかるので痛み止めはなるべく飲みたくないとのこと。シップでかぶれるのも悩みのようです。
高齢者では骨の薬はなんでもカルシウムだと思いこんでいる方もいます。

痛みの原因は様々ですし、カルシウムをむやみにとればいいわけではありません。
痛み止めの薬を一生飲むことにならないうちにカルシウムや話題のCBP、コンドロイチン、グルコサミンなどをよく知って予防しましょう。
身体は健康でも一度の骨折で寝たきりになって、うつや痴呆につながるケースもあるようですから。

変形性関節症とは

まず変形性関節症といわれるもの。老化と関節の使いすぎにより関節軟骨が擦り減り、骨と骨が直に接するようになり痛みの原因になります。関節周りにとげ状に増殖した骨棘ができ骨が変形します。
軽いうちは座っているところから立ち上がるときなど関節の動かし始めに痛みが出ます。
重症になると常に痛み、腫れ、関節液貯留(水がたまる状態)などが生じます。


通常関節液は軟骨を保護するようにネバネバした弾力のあるヒアルロン酸が含まれますが変形性膝関節症では軟骨が破壊されサラサラの液体になってしまいます。
そごで整形外科では関節液の機能改善のためにヒアルロン酸の注射が行われています。

年齢とともにすり減ってしまう軟骨はプロテオグルカンというものでできています。この弾力性のあるプロテオグルカンを形成するのはグルコサミンなどが連なってできるムコ多糖とよばれるネバネバ成分です。主成分であるグルコサミン、コンドロイチンこれらは注射と言うわけにはいきませんので早いうちからサプリメントで補う必要があります。グルコサミンはヒアルロン酸の構成成分です。

正常な関節進行した変形性関節症

予防

予防としては膝に負担がかからないように肥満に注意する。太ももの筋力アップをはかりO脚にならないように注意することが大切です。軟骨細胞を形成するには酸素も必要とのこと、血行をよくするために運動も必要です。グルコサミンは血行を良くして血栓の予防効果もあるそうです。
実際にグルコサミン、コンドロイチンのサプリを積極的に取り入れることで関節の痛みが軽減されます。
ペットの犬にグルコサミンを与えた場合顕著にわかることです。動物は痛ければ歩きませんが痛みがとれることで元気にとびまわります。


カルシウムを骨に

腰の痛みの原因で多いのは骨がスカスカになり椎骨のずれや脊柱管の狭窄により神経が圧迫される事によるものです。カルシウムをいくらとっても骨に定着できないかぎり骨はスカスカなのに溶け出したカルシウムがあちこちで不調を引き起こします。
溶け出したカルシウムが骨のあちこち余分なところに吸着して骨の変形や棘と形成を引き起こし痛みにつながります。(これらのカルシウムパラドックスについてはまた次回お話します)。
サプリで予防するなら骨にカルシウムを吸着させるように骨芽細胞に働きかけるCBPをお勧めします。
薬剤師K
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